日本でTOEICを運営するIIBC(一般社団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会)主催のTOEIC Listening & Reading Test説明会&講演会」に参加してきました。
2016年5月からTOEICの形式が変更になっています。その変更後の試験を受けるタイミングがなかなかなかったため、新しい試験の傾向を知りたいと思い、この説明会に応募しましたが、参加してみて本当によかったです。
冒頭の15分くらいが実際変更後のTOEIC練習問題を行ってみて、その上で、変更点の説明です。説明会&講演会となっていましたが、残りの1時間半以上はICC代表の千田潤一さんの講演になっています。
これまでのリスニングでは2者間の会話の中からの質問、もしくは1つのスピーチを聞いてからその内容から問われる問題が主流でした。新しいTOEICでは以下のタイプが登場しています。
・ 3者間の会話
・ 発言者の意図を問う内容
・ 聞いた会話の内容をもとに図表を参考にして回答をする内容
これには慣れが必要だと感じます。
3人で話す内容なんて、日本語で聞いても混乱する人がいるのではないでしょうか。
また小学校で習った国語のテストにも、作者の意図を問う問題ってありましたよね?
まさにそれと同じ感覚です。母国語を学ぶように英語も学んでいく必要がありまそうですね。
TOEICの普及活動と英語学習法の指導を行っているというICCの代表、千田潤一先生の講演会です。最初どんなものなんだろう、今更英語学習の仕方って言われても・・講演前はそう思っていましたが、本当に聞いてよかった内容であったと思います。
今回の参加者は高校生、大学生、学校の先生、企業の会社員から2・3名ですが主婦の方までいました。会場は満席です。
千田先生の名前は聞いたことがある気がしていましたが、主に企業での英語研修を数多く実施されていて、メディアにも頻繁に出ている方でした。
「使える英語の効果的習得法」と銘打ったレジュメが配布されています。
まずはTOEICのスコア毎に何ができるのかの目安を紹介しています。TOEIC L&R( Listening & Reading )は世界共通のモノサシと紹介していますが、本当は英語の世界共通のモノサシはIELTSです。ここはTOEIC普及を進めているICCさんらしい記載ですね。
ただ、日本にいる上ではTOEICが一番有名な英語ができるかどうかのモノサシになります。
そのため、日本人にはTOEICが必要です。
先生はまず自分の実力を知った上で英語学習をすることと提唱しています。その実力を知るためにまずTOEICを受けることをオススメしています。
多くの日本人はTOEIC350程度のレベルにいるそうです。
これは千田先生曰く「TOEICを受けるレベルではない」スコア。
英語ができない人はこうした試験で低いスコアを取ったことにより「自分に英語は向いていない」と判断して、やる気をなくしてしまうそう。
スコアが450満たない方はまず学習して、TOEIC bridge を受験することがオススメ!
TOEIC bridgeとは、1時間というTOEICの半分の受験時間で、リスニングのスピードも難易度も下がります。そのため、韓国は中学生、日本は高校生がメインで受験しているほどです。
このbridgeである程度の自信をつけてから、TOEIC L&R、TOEIC S&W( Speaking & Writing )に移行するのがオススメの順番です。
日本人のTOEIC高スコアだけを目指す風潮をなげいていたTOEIC発案者・故北岡靖男氏から日本人の誤った英語学習の認識を変えて欲しいと言われ、それが今の活動の原動力になっている千田先生。TOEIC普及活動を行いながらも、「TOEICの満点は不要」と明言されています。
「日本人はTOEICのスコアが高いのに、話せない」
これは有名ですよね。
みな、日本人は中学・高校で英語を学習してきているため、基本的な部分はわかっています。TOEICで高得点は取れる、でも英語は話せません。それなのに、進学や就職ではTOEICの高いスコアがあれば有利とされていたため、みな一様に高得点のみを目指して勉強しています。
TOEICでは600〜700点ほどがとれたら、その次はTOEIC S&Wで実践的な英語の力を養って欲しいというのが千田先生の考えです。TOEIC600〜700点とは英語の基礎が出来上がっている状態を指します。つまり、基礎が固まってきたら、次は「Speaking(話す)とWriting(書く)」に力を入れる必要があるというのです。
確かに日常生活の多くは伝えること、コミュニケーションで成り立っています。英語でのコミュニケーションの要になるのが、Speaking とWritingです。
それではどうやってその力を身につけていけばいいのでしょうか?
千田先生は3,000人以上の英語研修の参加者を研究・分析してトレーニング方法を編み出しました。その結果導きだされたものでしょう、正面にはスコア別のおすすめ英語トレーニングのイメージ図も紹介されています。
学習するべき順番
単語 → 文法 → 音法 → リスニング → スピーキング → リーディング → ライティング → email・英文レター
やはり単語は基礎中の基礎ですね。
講演会では日本の英語教育にも言及します。日本人が英語を話せないのは間違った英語教育に一因があるとはっきり言われます。
文部科学省認定の中学校の教科書は最良の内容だそうです。これを完璧にマスターすれば英語が話せるようになる。それはSONYの創始者・故盛田昭夫氏が証明しています。
では、何がいけないのか?
日本の英語教育には圧倒的に「音」が足りない
授業ではテストで測りやすい文法問題に対処するため、単語や文法の理解に時間を多く割き、正しい日本語訳や英作文を生徒に求めます。千田先生曰く、「文法は単語の置き方のルール」
「英語はスポーツ」です。
確かに!
あるスポーツをうまくなろうとルールブックを読み込むだけでは身につきません。何度もそのスポーツをして、ルールに慣れ、失敗と成功を体感することで上達していきます。
英語でも同じこと。文法は大切です。でも、それだけやっていて話せるようにはなりません。しかもルールは読み込むだけでは身につかないので、ちっとも勉強しても英語がわからないという生徒も生み出します。そこで英語へのあきらめがでてきてしまうのはもったいないことです。
英語の習得を、子供の成長になぞらえて説明したこの言葉が印象に残りました。
「歩ける子供しか走れない」
つまり、「リスニングしないとスピーキングは出来ない」ということです。
確かに聞いてわからなければ、話すことは出来ませんよね。
リスニングは一度に集合して学習可能なので、「速読・リスニング」を学校教育に活かすことが必要なのではと提唱しています。確かにこの講習全部を受けていると、日本人が英語を話せるようになるためにはそれがよいと感じられます。
勉強は大変です。決して楽なものではありません。でも成長している自分がわかると途端にやる気が湧いてきます。ただ、この成長は机に向かって、問題集を解いているだけではなかなか実家することが難しいのです。
なぜなら、TOEICスコア100点アップのためには、200時間の学習が必要だから。
つまり1日1時間も勉強したとしても、約7ヶ月後にしか進歩したと認識できないのです。
これでは、英語力向上する前に諦めてしまう方が多くてもおかしくありません。英語はかなり辛抱強い方だけが習得できるものになってしまいます。そうではなくて、英語はだれてもできることなのだということを日本人はもっと体感する必要があるのです。その感動体験の一部をご紹介します。
音読とは、意味のわかった英文を自分で声に出して読むことです。これを繰り返すことで、英語のリスニングが強化されます。
騙されたと思って一度試しにやってみてください!
もしキクタンやEnglish journalなどの音声付きの英語教材を持っていない場合は、ラジオ英会話でもいいし、YouTubeで「音読 例文」などと検索すればいくらでも音声付きの例文はでてきます。
耳が開くとは、「英語が聞き取れるようになる」ということです。
ちなみに千田先生は「英語を聞き流すだけで話せるようになる」という某教材も試してみたそうですが、こちらは「材料はよいものが揃っているけど、聞くだけじゃ全くダメ」と断言されています。
やっぱりそうですよね・・聞くだけで話せるようにはなりません。音読で英語が聞き取れるようになっても、その意味を理解するためにやはり単語や文法の習得も必要です。
大切なのは、この「聞き取れるようになる」という感動体験を通して、すこしずつでも英語力がついてきていることを実感し、単語や文法など次の学習へのモチベーションを高めることにあるのです。
そうして、時折モチベーションを上げて、ほぼ毎日の最低30分でも英語学習を継続させることが英語を話せるようになるための近道になるのです。
やはり継続は力になるのですね。
英語フレーズを検索してみよう!
気になるフレーズや「あれ?こんなときはどう言えばイイんだっけ?」と迷ったときはスグに検索!日々の英語学習に是非ご活用ください。
Copyright (C) 2024 英会話上達ドットコム All Rights Reserved.
掲載コンテンツ・イメージの転写・複製等はご遠慮下さい。